Webアクセス解析担当者の専任制?

5月に参加をしてきたOmniture SUMMITでも感じたことですが、アクセス解析を使いこなせているサイト運営担当者の方はアメリカではかなり多い気がしています。実際に、アクセス解析担当者というのは、それだけで企業から募集がかかる程のようです。

日本では難しい?

下のリンク先はAvinash Kaushik氏が書かれたWeb Analytics AN HOUR A DAYという良書からの引用翻訳文が載っています。

Insight for WebAnalytics: アクセス解析を最終的には社内でやるべき3つの理由

個人的には自分もこの意見には賛成派なのですが、実際問題難しいなぁと思う部分もあったりするわけです。それが日本の企業風土という部分かなぁと思っています。

大きな企業になればなるほど、様々な部署を経て役職が上がっていくのが日本の流れかなぁと思ってます。もちろん、そうではない企業もありますが、今まで接してきた限りでは多いのかと。

そうすると、実は担当の方も結構頻繁に入れ替わりがあるんですよね。Web担当者になっただけでも、業務知識プラスWebの知識が必要になるわけです。アクセス解析の場合は、さらにそれらの知識をベースにしてモノを語ることが多い部分だと思ってます。

とすると、慣れてきてアクセス解析をある程度使いこなせるようになったころには「異動…」ということにもなってしまいかねないんですよね。

このあたりが悩ましい部分だと思ってます。

外部で見ることが出来る範囲

リンク先の部分でも書かれている通り、アクセス解析で知り得るデータというのは意志決定に利用するための一部であるわけで、その他の社内データというのは外部コンサルタントはほとんど見ることが出来ないわけです。

ある程度は一時的に見られるようにしたとしても、全ての意志決定を行う際にコンサルタントに来てもらうわけにも行かないわけです。

ここまでが現状。

じゃあ、どうしたら良いかという部分ですが、これが難しい。あくまで個人的な見解として書きます。基本は企業規模(もしくはサイト規模)によって分けるのが良いのかと。

まず、ある程度の規模がある企業では、グループ会社に委託するのが1つの方法かなぁと思ってます。大きな企業であれば、システム部門をグループ会社として持っていることが多いわけです。そして、そもそもが専門部隊の集まりなので、本部よりも異動タームは遅い(はず)。そうすることで、ナレッジと社内データを組み合わせたシステムが作れるわけです。

じゃあ、中企業になるとどうするかというと、どのくらい運営しているかにもよりますが、基本は専任化。異動も少ないですしね。というよりも、上層部が専任意識を持ち動けばおそらく大丈夫。

小規模な企業の場合は、専任化と外部コンサルを利用する方法のどちらでも良いかと思ってます。これはサイト運営に関する意志決定がまだ少ないだろうということで、そうしています。ある程度、それが会社として決定する事項が多くなるのであれば、やっぱり専任化なのかなぁとも思います。

まとめ

ということで、ホントに主観ベースで理想を書いてみました。実際に、これからの話なので、どれが最適なのかは自分もよく分かりません。

ただ、アメリカでのWebガバナンス論については、企業風土が大きく違う日本にそのまま当てはめることは出来ないというのは絶対だと思っているので、その違う風土の中で、日本なりの最適化論がうまく見つけられれば良いのかなぁと思ってます。

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  1. 衰弱堂

    秘密保持の観点(と呼ぶある種の責任回避の場合も)から、外部には出せないのもさることながら、中にいる人の理解の問題で在処がわからない/出せるようになっていないケースも時々ある気がします。いずれにせよWebサイトに対するビジネス上の重み付けが正しくできるかどうかがすごく人に依存していて、それに気づいている人は内部であれ外部であれ、まだまだつらいところかもしれません。

  2. あんけい

    衰弱堂さん

    コメントありがとうございます。確かに、そもそもの理解が足りないために社内にあるせっかくのデータも活用出来ていない場合もありますね。そういった視点で見ると、正しい判断をしたレポートを作る担当がいたとしても、それに沿った意思決定をしない(出来ない?)組織もあるのではないかと思います。

    アクセス解析以前の他のデータでもそうですが、数字は意思決定の補助でしかなくて、結局、意思決定は別の次元で行われたりするんですよね。難しいです。