Content Marketing 2.0
最近、2.0付けてばかりですが、ここのところコンテンツマーケティングのあり方が変わってきているといった内容についてお話をさせて頂くことが多くなったので、それをどういう事なのかを少し整理してみたいと思います。
…とその前にこれからのパーソナライズについて
コンテンツマーケティング2.0の話のはずなのに、もう違う話かよって感じですが、以前に書いたこちらを少し参照して頂ければと思います。(パーソナライズ2.0 | dIG iT )
これからのパーソナライゼーションについての考え方なんですが、最も重要なのは下記の定義です。
シンプルで直感的でパーソナライズされていることを意識させない
EconsultancyのAshley Friedlein氏が提唱
ユーザー個人のプライバシーを犠牲にすることなく提供され
ユーザー自身がパーソナライズに利用するデータをコントロールできること
また、個人を特定するデータを必要とせず、データを機械学習により予測し
コンテクストに応じたリアルタイム性をもったサービス提供を行えるようにする
これまで日本の企業では年齢や性別といった属性を利用したパーソナライズというかセグメンテーションが行われてきました。しかし、実際にはこれらはマスの延長に近いところもあり、パーソナライズ向きというよりも、広告でのアプローチに向いた形となっています。
この属性をパーソナライズで利用しようとした場合は、正直ちょっと扱い難いというか実際にこれで何か顧客体験変えましょうとか、お薦めする商品変えていきましょうというのが難しいんですよね。
パーソナライズは何をするべきか?については前回のエントリで書きましたが、関係性の高い情報を提示するには「属性」ではなく「興味」が重要になってきます。
じゃあこの「興味」をどう知っていくのか?ということがコンテンツマーケティングと繋がってくるわけです。
ちなみにこの辺り業界的には「顧客の解像度を上げましょう」とか言われることも多いですが、実際には「顧客の背景の解像度を上げる」というように考えて頂くと良いかと思ってます。
これまでのコンテンツマーケティング
さて、話を戻してコンテンツマーケティングの話にいきましょう。これまでもコンテンツマーケティングは様々なところで実施されてきました。しかし、その多くは下記のような感じだったのではないでしょうか?
- コンテンツは企画会議でひねり出したものを定期的に記事化
- コンテンツの評価はページのPV数やセッション数などどれだけ閲覧されたかで評価
実際にどうようなアプローチを行っているかお伺いしたケースでも、このような対応を行っていることが多く、結果として長く続かない、効果が分からない、などになってしまい更新頻度も落ち、社内で説明するのにも苦労、、
これがこれまでのコンテンツマーケティングです。では、これからのコンテンツマーケティング、つまりContents Marketing 2.0とは何が違うのかをここから触れていきたいと思います。
これからのコンテンツマーケティング
これからのコンテンツマーケティングはこれまでと大きく変わる部分は下記のようなところになってきます。
- コンテンツはビジネスに紐付き評価
- コンテンツの閲覧状況から、コンテンツの興味を推察できるようにする
- プロファイルに紐づけ背景の解像度を上げるために利用する
ビジネスに紐付く評価
コンテンツは上記に記載した通り、これまでだとPV数やセッション数などどれだけ閲覧されたか?という視点で評価されることが多くそれ以上あまり実施されていませんでした。
しかし、実際にはビジネスとしてやる以上はその効果も可視化していかなければなりません。そこでコンテンツを閲覧した人が実際にコンバージョンしたのかを評価をしていきます。しかし、そんな短期的な評価をコンテンツにしても!という方もいらっしゃると思います。もちろんです。
そこで間接的にも評価を行っていくわけです。つまりコンテンツのアトリビューションをきちんと出せるようにしていくようにします。直接的なコンバージョンと間接的なコンバージョンの評価を両方できるようにしていくことで、それぞれのコンテンツのキャラクタも見えてくるようになります。
また、合わせてコンテンツサイトは回遊も評価をしていくべきでしょう。コンテンツがその後に回遊を促すことが出来ているか?こういったところもきちんとコンテンツごとに評価をしていくことで、「何が効果があり何が効果がなかったのか?」を整理していくことが出来ます。
閲覧状況からからコンテンツの興味を推察
2つめがコンテンツの閲覧情報からより多彩な情報を得られるようにしていくことです。コンテンツはよくタグ付けなどがされるかと思います。まさにこれらの情報は宝の山とも言えます。
これまではコンテンツごとに付与されるタグは、それらを分類するためのものでしかありませんでした。例えばこのページについているものも、紐付くコンテンツを繋ぎ合わせるために利用されています。
しかし、これをきちんと計測、分析していくことでその情報はさらに良いものとなっていきます。例えばこのブログであれば「Personalize」と「Analytics」のタグが付いた記事はどちらが読まれているのか?それらはどちらがビジネスKPIに紐付いているのか?それぞれのタグを閲覧した人は他にどんなタグが付いた記事を読んでいるのか?といったものが分析出来るようになるわけです。
非常に簡単な例でいったん整理しましたが、実際にコンテンツマーケティングを実施していくにあたっては、それは教育コンテンツなのか、説明コンテンツなのか、楽しんで頂くためのコンテンツなのかも検討するかと思います。そういったメタ情報についても分析できるようにすることで、現在のニーズをより知ることが出来るようになり、そして何よりもコンテンツの評価をしやすくなるわけです。
プロファイルに紐づける
最後にプロファイルに紐づけていくです。閲覧をしたという結果データの固まりも非常に重要なインサイトとなりますが、同時に閲覧した人とのコミュニケーションに、これらの情報を活用していくことも重要です。閲覧されたページのメタ情報を閲覧されている方のプロファイルに紐づけをできるようにしていくのです。
これによりコンテンツをユーザーがコンテンツサイトを読み進めていくことで、興味の情報がどんどんプロファイルに紐づいていくため、行動からその人の好みやコンテクストを推測しやすくなります。
プロファイルに紐付いたメタ情報を利用しパーソナライズを実現していくことで、よりその人の背景にあったコミュニケーションを実現していくことが出来るようになるわけです。
これまでどちらかと言えば、SEOを意識したキーワード設定やコンテンツ設定がされることが多いコンテンツマーケティングですが、このような使い方を意識することでSEOだけではないコンテンツの発展性を見込めるようになります。
このプロファイルに紐づけて行動情報を中心にコミュニケーションをすることこそ、冒頭で触れたパーソナライズ2.0を実現できるキーと言っても良いかもしれません。
まとめ
これまでコンテンツマーケティングはどちらかと言えば、SEOの為に行われることが多かったかと思います。しかし、Cookielessやプライバシーの保護など様々なトレンドから見えてくるパーソナライズ2.0を実現する中において、コンテンツマーケティングの重要性はさらに高まってきています。
今回挙げた3つのポイントを意識することで、コンテンツマーケティングは1つ上のレベルに引き上げていくことが出来るのではと考えています。そういう意味でこれまでとの違い、という意味でコンテンツマーケティング2.0とタイトルを設定させて頂きました。