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BOPISについて考える

2020/08/29

先日のアドビのAdobe Digital Economy Index(以下、ADEI)の7月分のデータによるとBuy Online Pick-up In Store(BOPIS)の需要が増え、また、継続されていることが見えてきています。その理由としては「COVID-19によりソーシャルディスタンスを守った買い物をする中で増えたのでは」とのこと。5月のレポート時に前年同月比195%となっていたのですが、それがそのまま継続されている形です。

ということで、改めてBOPISについて。

BOPISの利用状況

日本ではまだ、これからというところもあるBOPISですが、USではそれなりに普及をしているもので、下記の記事によると2019年のホリデーシーズンでは、33.6%の消費者がBOPISを利用しています。(BOPIS And Returns Fuel Cross-Channel Demand In US Holiday and Post-Holiday Retail

記事にも書かれているところですが、AmazonもBOPISの形式をやっていないわけではなく、ホールフーズでの実施はしているものの、利用率は他の企業に比べるとかなり低く、Walmart、TargetやKohlsなどのが小売店の中では高いとのことです。

また、DIGITAL Commerce 360 Reasearchの今年の調査によると41%がBOPISの利用を行っています。別調査ではあるものの、伸びていることがうかがえますね。同調査でもう1つ面白かったのは、54%が店舗の近くで商品在庫の確認を行っているというものです。店舗に来ることで、他の併売についても期待できるわけですが、同じ調査においては21%がこの半年以内にしていると答えているので、十分に併売の効果も見えてきそうです。

実際に提供企業でいくと、USだと店舗を持つブランドは採用しているところもかなり多くなってきています。NIKE、HomeDepo、Walmart、Targetなどは有名ですが、私がNRF2020でNYに行ったときはAdidas、SuperDry、Lululemonを始めほとんどの店舗にその受け取りカウンターがあったのを記憶しています。

日本でも以前からヨドバシカメラやニトリ、BPOISの拡張としてStarbucksなども実施していますね。

BOPISのメリット

購買をオンラインで行い、その後店舗にて商品の受け取りを行うBOPISですが、どんなところにメリットがあるのでしょうか?

消費者側のメリット

  • 送料負担がない
  • 手元にとどくまでの時間を短縮できる
  • 在庫が事前に確保できる
  • 比較といったオンラインのメリットはそのままに、実物を見て返品も可能

提供側のメリット

  • 対Amazonといった大手マーケットプレイスにはない、メリットを提供(店舗との組み合わせ)
  • レジ精算など店舗での人件費削減
  • 顧客認知の強化・そのデータ利用

消費者側のメリット

USで普及をしたのは、送料や手元に届く時間もその背景にあると考えられますが、この辺り、日本においては、送料負担やロジスティクスが優秀なだけに、この辺りのメリットは少ないので、どうしてもBOPISは普及しにくいと考えられる部分もあったりします。

しかしながらモバイル利用により、隙間時間に買い物ができ、場合によってその日に受け取ることができるといった部分は大きいと考えられます。COVID-19渦において、モバイルを利用し事前に予約や確認なども増える中、日本でもこの利用方法に慣れ、より増えてくる可能性は十分に考えられます。

提供企業側のメリット・デメリット

提供企業側のメリットとして、今後明らかに大きなメリットとなるのは、顧客認知の部分でしょう。BOPISを実施するうえでは、会員登録が必須な分、実際にいつ購買され、どこでピックアップしたのかも含め顧客データを把握することがしやすくなります。

また、Business Insiderの調査によると、小売店での顧客認知のタイミングはかなり遅く、購買中、つまり決済時に始めてわかるため、その前でのコミュニケーションやオファーなどは出来ていません。

この部分に対して、オンラインでのコミュニケーションであれば、認知やオファーなどを簡単に行うことが出来るようになります。また、アプリなどを利用してBOPISのピックアップなどを推進することで、店舗に来たタイミングでの認知なども可能になってくるわけです。

一方で、企業としての負荷として在庫の管理をEC側と連携させていくところから、返品への対応なども大きな課題となります。実際にUSの調査ではホリデーシーズンでBOPISを利用した3割が何かしら返品を実施しています。また、店舗に置かれる在庫には限りがあるため、このあたりの在庫管理をどうしていくか、という部分も超えるべきポイントになりそうです。

2018年の記事ですが、NIKEがロサンゼルスで始めたNIKE LIVEといった取り組みもそういった店舗の在庫最適化への取り組みかもしれません。(ナイキが周辺エリアの購買データから品ぞろえを“ライブ”で変えていく新ストアをオープン | WWD JAPAN.com

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COVID-19渦において、消費者行動が大きく変わってきている中、新しい生活様式の中において、BOPISは改めて日本でも普及してくると感じています。OMOというコンテクストの中、こういった店舗体験のデジタル化が、どうなっていくのか、非常に興味深いところです。

2020/08/30追記 Podcastでフォローアップのエピソード配信しました。


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