Engagementを測定する。
おととしの8月から去年の10月くらいの話なので、ちょっと前の話なのですが、Web解析Hacksも書いている Eric T. Peterson がサイトに訪問するユーザーの Engagement を測定する方法を、自身のブログで試行錯誤していたので、自分の整理も兼ねて少し紹介です。
きっかけは「How do you calculate engagement? Part I」というエントリーから始まっています。この後数回にわたり、コメント欄のつっこみなどに答えながらブラッシュアップしていっています。最終的には「How to measure visitor engagement, redux」エントリで計算方法などを公開しています。
Engagement とは
Eric T. Peterson はエントリの中で Engagement の定義を下記のように書いています。
Engagement is an estimate of the degree and depth of visitor interaction on the site against a clearly defined set of goals.(Engagementは訪問者の明確にサイトに定義されたゴールに対するインタラクションの度合いと深さを評価するものである。)
How to measure visitor engagement, redux
個人的にはサイトに対する「顧客忠誠度」といった感じと受け取っています。サイトやそのブランドに対してどのくらい愛着をもってもらっているかが Engagement という指標で、それを計測してみようということでした。
この指標は、どのサイトにも万能に計算できるというものではなく、あくまで計算のモデルということで紹介されています。個人的には、これをベースにサイトに合わせてカスタマイズするなりしながら、実際には定期的にこの数値を出していくことで、その変化を見ていくと良いのかなぁと思います。
計算方法
最初のエントリで Engagement のキーワードを挙げています。実際に最後のエントリで紹介されているものと少し違う部分もあるのですが、基本的な考え方はここから来ているということでご紹介です。
- 訪問者がクリティカルコンテンツを参照しているか?
- 最近、訪問者が再訪問しているか?
- 直接サイトに訪問してことがあるか?(リファラを持っていない)
- 滞在時間・PVが長いセッションがある割合が高いか?
- 可能なら、RSSフィードに登録しているか?
これを踏まえて実際の計算方法です。この計算は、訪問者別に計算されるものになっています。つまり、サイトとして「 Engagement は~%です。」と出てくるわけではなく、「Aさん~%、Bさん~%」といった感じになります。
よって、ある一定の期間のセッションを全て洗い出して、その中のセッションを訪問者別に分類しながら計算することになります(現実的でないなぁ…)。ということで、計算に利用する指標は下記のものになります。
- クリック深度指数(Ci):その訪問者の全セッション数の中で、nページ以上のページビューを持つセッションの割合。
- 最頻指数(Ri):その訪問者の全セッション数の中で、過去N週間に発生したnページ以上のページビューを持つセッションの割合。
- 継続指数(Di):その訪問者の全セッション数の中で、n分より長いセッションの割合。
- ブランド指数(Bi):その訪問者の全セッション数の中で、直接(リファラーURLを持っていない)か、ブランドに関するキーワードで検索したセッションの割合。
- フィードバック指数(Fi):その訪問者の全セッション数の中で、訪問者が消費者の声を直接フィードバックをしたセッションの割合。
- インタラクション指数(Ii):その訪問者の全セッション数の中で、訪問者が特定のイベントを完了したセッションの割合。
これに加えてさらに2つの項目を重み付けとして提案しています。
- ロイヤリティ指数(Li):もし訪問者が計測期間内にn回以上訪問している場合は1を加算。その他の場合はゼロ。
- 購読指数(Si):もし訪問者が計測期間内にRSSやメールマガジンを購読している場合は1を加算。その他の場合はゼロに。
ということで、あとはこれを全て足して8で割ったものになります。それぞれのnの部分については、サイトの平均などで求めていく感じらしいですが、Eric T. Petersonは自身のサイトについては下記のような数字で行ったということです。
- Ci :5ページ以上のページビュー
- Ri :過去3週間で5ページ以上のページビュー
- Di :5分以上のセッション
- Li :過去半年で5回以上の訪問。
まとめ
とりあえずエントリをなめながら書いただけです。英語力にはそんなに自信がないので、もし間違ってたらご指摘くださいませ。
エントリのコメント欄を見ていると賛否両論あるようですが、個人的にはこの試みが非常に好きです。
どう計算するかという部分については、個人ごとというよりサイトとして欲しいなぁとも思ってます。ので、この考え方を基礎にしながら、ちょっと試行錯誤しながらサイトの Engagement の考え方を整理していこうかなぁと思っています。
長かったのでこれまで。