Engagementは言い訳である。

Avinash Kaushik 氏が Engagement について書いているエントリーを読んでみました。タイトルは「エンゲージメントは指標ではない、言い訳である。」とちょっと過激ですが、非常に興味深いものでした。

実際に Avinash 氏は以下のような考えを持っているようです。(ここからは自分の超訳によるものなので、若干 Avinash 氏の主張と異なる可能性があります)

Avinash 氏の考え方

氏はいくつかの理由を挙げることで Engagement を安易に使わない方が良いという警告を発しています。そのいくつかの理由を要約すると下記にまとまります。

  • Webサイトは様々な目的を持っており、それによって Engagement の考え方も様々。よって、Engagement の標準化は難しい。
  • そもそも Engagement という定義を行うことが難しい。
  • Engagement は非常にコアで定量的なものであり、それを数値として表すことは難しい。それに指標化できたとしても、それをすぐに活用するのが難しい。

といった感じです。決して Engagement 自体を否定するわけではなく、標準化や共通化への疑問や、利用する際の感覚のわかり辛さみたいな部分を気にされているようです。

また、「言い訳」と言っている部分ですが、これは「クリックストリームデータを利用せずに、ショートカット的にEngagementを利用してはいけない。」といったところから発せられています。

Engagementの自分的解釈

健康診断の場合、様々なことから「その人」の健康が評価され、最終的に1つの評価「A」であったり「B」であったりが出るわけです。

実際、その中では血液検査だったり、尿検査であったり、体重測定であったりと色々な検査によって総合評価がされているわけです。

血液検査でもさらに詳細に分類されていて、「γ-GTP」や「コレステロール」などが数値で表されているわけです。

でも、実際には体型や年齢によっても適切な数値が違うわけです。また、それが悪かったことで何をするのかというところはわかりにくいですよね。

Engagement もこういったイメージに近いんだと思います。いくつかの項目からなる評価であり、その総合評価を見る感じ。それ自体は健康的かどうかぐらいしかわからないのですが、でも意味はある。

細かい部分を比べたところで、それは意味がない。そう考えると、人間の健康診断というよりも動物園の健康診断と考えた方が判りやすいかもしれません。

動物の種類が Web サイトの種類と考えた時に、その種類は様々であり、それこそ健康診断の項目も違えば、適正値だって違うわけです。キリンとサイの健康診断の結果を比べたところで優劣なんてつかないわけです。

だからといって、健康診断をしないわけではないわけで、それは「健康」という漠然とはしているものの、1つの評価指標としては有効なんだと思います。特に会社の偉い人にとっては。

まとめ

ということで、個人的な解釈の中では Engagement は以下のような感じ。

  • Web サイトが必要に応じて持つものであり、その内容はサイトごとに異なるものである。
  • Web サイトの状況を表すものであり、それ自体を他のサイトと比較するものではない。
  • あくまで一部分しか評価できていないことを理解しておく必要がある。

現在、別のエントリで SNS の Engagement についても書いていますが、これについてもあくまで参考だと思っています。ただ、やはり会社によってはこれに近い評価を上から求められる場合もあるわけです。

上記のようなポイントを理解して、 Engagement という単語とうまく付き合っていければ良いのかなぁと思うしだいです。

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