プラスとマイナスのユーザビリティ

まぁ、自分が式をあげたホテルもこのグループなのであまり悪いことは書けませんが、ちょっと気になったので…

【IT Japan 2007】「デザインに凝ったウェブサイトほど予約率は低かった」,星野リゾート社長が講演:ITpro

ほしのや」の予約システムはFLASHで作られていますが、非常に質が悪い。これはずいぶん昔からなのですが、RIAの利点がまるっきり生かされていない、だったらHTMLで作った方がよっぽどユーザビリティがあがるというシステムです。残念ながら。。

ところが、上記のような講演が載っていたので、これは?!と思いアクセスしてみると相変わらずのまま…

プラスとマイナスのユーザビリティ

以前、RIAの評価の研究をしていた時に考えていたのがプラスのユーザビリティとマイナスのユーザビリティの考え方です。「プラスのユーザビリティ」とは「やると良い対応」の部分で、「マイナスのユーザビリティ」とは「やってはいけない対応」の部分を指しています。

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最低限のユーザビリティを達成する場合は「マイナスのユーザビリティ」の部分をいかに無くしていくかという部分がポイントになってきます。さらにより良い部分を目指すために「プラスのユーザビリティ」の対応があるわけです。

どちらに対応した?

ほしのやさんの内容を考えていて思ったのが、このマイナスのユーザビリティとプラスのユーザビリティでは、どちらを対応したかで売上の跳ね返る効果は変わってくるかもしれないなぁということです。

ニールセンの言葉を借りると「ユーザビリティに気づかれないことが究極のユーザビリティ」なわけです。

マイナスのユーザビリティの対応は「ここ使いにくいなぁ」から「普通」にしたところなわけです。ここの部分の印象はユーザーにとっても非常に大きいわけで、その分、売上への貢献も大きいはずです。

しかし、それ以上のプラスαのユーザビリティは、対応するのも難しく、なんかちょっと「使い勝手良いかも」程度にしかならないわけです。つまり、その分の売上への反動も小さい。

そんな訳で、ユーザビリティの対応が「プラスのユーザビリティ」であったか「マイナスのユーザビリティ」の対応であったかは大きく変わってくるのだと思います。

まとめ

「ほしのリゾート」の場合、このマイナスのユーザビリティの対応がまず行われた印象が非常に強いです(まだの部分もあるようですが…)。さらに、もともとブランド力も非常に高いので、そういった意味で効果は大きくでたのだと思っています。

自分の経験からも、マイナスのユーザビリティ対応は非常簡単なうえ、ユーザーが受ける印象も大きいものがあります。それに対して、細かいところまで気を使って対応したプラスのユーザビリティは、気づかれない場合すらあります。

ただ、このプラスのユーザビリティが「いかに気持ちよく帰ってもらうか?」というところで、長期的なブランド価値としてみれば非常に効果の高いものだと思っています。

「ほしのや」さんが究極のホスピタリティをリアルで提供しているように、ネットでもその提供を目指して、よい良いサイト作りをしていって頂きたいなぁ…ということで、このエントリー変えさせていただきます。

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