デジタルマーケティングの1/3ぐらいは仕組み化である。

このネタずっと書きたいと思っていたのですが、なかなか時間が取れてなかったので、前回のブログ更新の勢いにまかせて書いてしまいたいと思います。

デジタルマーケティングなんてもんはない、全てがマーケティングだ!といった話もありますが、いったん話の範囲の切り方として分かりやすいのでデジタルマーケティングとしていますが、デジタルマーケティングで何をするか?って考えた時に、担当者が考えるべきことの1/3ぐらいは仕組み化だと思っています。仕掛けといっても良いかもしれません。

大きく3つの構造で考える

じゃぁ、あと2つは何かといったところですが、デジタルマーケティングとして何か活動する時は大きく図のような3つに分かれる気がしています。

一番下が「全体の構造」その次が今回本題の「仕組み化」そして「個別施策」です。今、何をしているんだっけと考えている時に、自分も無意識にこの3つのどれであるかを考えながらやっていた気がします。

全体の構造

これは集客からサイトに来訪して実際にコンバージョンするまでの全体の動きですね。特にサイト構造の部分が分かりやすいと思いますが、全体の使い勝手、導線設計といったところがこの部分に紐づくかなと。

よく言われるようなサイトやアプリのUI/UXといった全体のデザインやそれに紐づくようなABテストで実施する部分もこの「全体の構造」に紐付いていると考えています。評価としてもCVRで評価をされるわけですが、一定のラインを到達すると頭打ちとなり、そしてCVRで評価すること自体があまり意味を見出さなくなって来るわけです。つまりこれはセグメントを意識した次のコミュニケーションに移行していくような話ですね。

仕組み化

続いてが仕組み化です。この部分はMA的な構造と言ってしまうと分かりやすいかもしれません。「何かインタラクションがあった場合に、それに紐付いたメールを配信する」などは分かりやすい、いわゆるMA的な仕組み化の1つだと思います。

他にも特定の条件の人に表示するようなリターゲティング広告だってそうだし、特定の行動をした人に対するサイトやアプリで実施するパーソナライズだってそうです。この「仕組み化」は、パターンを作ってしまえば、その中身のコンテンツの更新はあれど、ある程度コミュニケーションを自動化してくれる感じです。

さきほどいわゆるMA的と書きましたが、本来はメールだけではなく、こういった全体で実施されている様々な「仕組み化」こそMarketing Automationと呼ぶべき気がしています。

個別施策

そして一番上に乗っかるのが「個別施策」ですね。これは具体的に取りに行きたいセグメント、そして、特定の売り出したい商材などがある場合にお、それに応じて実施していく内容ですね。これもめっちゃ大事です。大事なんですが、こればっかりに追われてしまうと、いくら仕事を頑張っても楽にならない…そして他の2つ「全体の構造」と「仕組み化」がある程度安定しているからこそ、効果がきちんと出るようにもできるわけです。

仕組み化こそデジタルが活かせる…のでは?

デジタルマーケティングツールを導入する時に何をするか、何を考えるかってここの部分を一番に取り組むことこそが良い気がしています。取得したデータを時間かけて分析し、インサイトを取得し、次の施策に活かす。それもOK。(ちなみにこれは全体構造か個別施策のどちらか)

しかし、取得したデータをそのまま活用して、次のコミュニケーションに繋げられたら素晴らしくかっこいいし、それこそデジタルで実施している価値が出る気がしています。コミュニケーションを実施する上で、「顧客のコンテクストを知る」ということが重要とよく言われていますが、その際の優先度としてはIntent Data、つまりその際の消費者の意図を汲み取り、コミュニケーションに活かしていくのが最も効果的です。(Intent Dataの詳細はこちらを読んでください)

ちょっと例にあげるのが自社製品で恐縮ですが、Adobe Targetという弊社ツールだとCategory Affinityという機能があります。これカテゴリの閲覧情報をポイント化して、ルールに基づいてカウントして、今その人が興味のありそうなカテゴリを理解してパーソナライズに利用できるんですね。まさにこれも仕組み化だと思っていて、これでTOPページのパーソナライズを実施すると、その人の閲覧状況をIntent Dataとしてルールに紐付いてパーソナライズされるTOPページを簡単に作成できます。

そしてこれを施策で実施して外したことないです。ってぐらい効果があがります。そしてこれはまさに中身のコンテンツは運用の必要はありますが、その仕組だけで全体をあげていくことができるんですよね。1回仕組みができてしまえば、運用は楽だしそれなりに効果を継続的にあげていくことができるようになるわけです。

この仕組み化については行動ベースだけで組み立てるケースもあれば、もう少し分析やクラスタリングに基づいたセグメントベースで設計するものもあったり、さらにはそれを組み合わせていくものもあったりします。

まとめ

自分がコンサルティングを行っている中で、意識していたのは、この「仕組み化」をいかに作っていくことだったのではないかなと、新年改めて感じていたりします。ここが出来ると、常に考え続けなくて良いんですよ。1回限りの施策で終わらせない、常にマーケティング予算ありきでの施策で終わらないんです。

そして仕組み化はパターンとして様々なところに汎用的に利用できるものもあれば、業界特化となるもの、特定の企業や商材に関わるものなどその方法は多岐にわたってきます。AIがそれぞれの面で最適化してくれる時代になってきましたが、まだまだ、全体の統合されたコミュニケーションを俯瞰して仕組み化をしていく部分までは時間がかかるでしょう。

だからこそ、現状のデジタルマーケティングに関わる方は、まずはこの「仕組み化」を意識していくことで、より良いデジタルマーケティングライフが開けていくんではないかと思っているわけです。

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