4つのマーケティングトレンドのうち3つ

明けましておめでとうございます。まさかの年始からのブログの更新です。もともとNewsPicksの記事へのコメントを書いてみたところ、自分なりに盛り上がってしまい、結果コメント上限を大幅にオーバーしてしまったので、せっかくのでその全文をブログエントリにしたいと思います。

コメントを書こうと思った記事はこちら「【2019年】絶対おさえておくべき、4つのマーケティングトレンド」です。なかなか面白い記事だったのと、個人的にそれぞれのキーワードに紐付いて思うところがあったので、それぞれのキーワードだけ拾いながらのコメントです。

主に技術面のトレンドを中心としているので、4つのうち1つは今回は割愛させて頂きました。あと、今回は私が所属しているアドビ視点が多いこともご了承くださいませ。ではさっそく。

動画

これまでの動画マーケティングとは大きく変わってきているのは、動画が見るものではなく、作るものというところにシフトしてきていることですね。企業側としてもこれを意識していく必要があり、単純な動画を発信するというところから、消費者が動画を発信したくなるというところがポイントになるかもしれません。インスタ映えというワードがありましたが、今年は動画映えというのを意識していく必要があるかもしれませんね。

Adobeとしても昨年、Rushという製品を公開しました。これはこれまでどちらかというとPro向けのツールとして提供していた様々なラインナップから、一般コンシューマ向けに動画を簡単に作成できるものとして提供したものです。こういった動きから見ても、これまでの「動画」とこれからの「動画」は少し違った捉え方をしていった方が良いかもしれません。

また、ライブストリーミング配信についても2020に向けてさらなる加速をしてくると考えられます。それに伴い、動画でのプログラマティック広告についても、よりニーズが増してくると考えられます。ライブストリーミング配信においても、よりその人にあった広告配信をしていくというのが、基盤として整い安定しているのが2019になるかと思います。

弊社としてもこんなニュースを去年出させて頂きました。「CCI、アドビおよびSpotX、動画広告取引で連携 | Adobe」

オーディオメディア

弊社のUSの調査によると、スマートスピーカーの普及は2018年末で約5割となっており、その利用方法で最も多いのが音楽です。7割が音楽として利用しているのがなかなかです。(Adobe Digital Insights: 年末までに、米国におけるスマートスピーカー所有率が約50%になると予測 – Adobe Blog)

日本でもこの年末年始にかけ、Google、Amazon、LINEそれぞれが価格をさげキャンペーンを実施していたことで、かなり普及をしてきているのではないかと思います。私もクリスマスプレゼントとして実家にGoogle Homeを設置したのですが、両親も「OK、Google」を認識しており、CM効果もあったのかシニアにも認知度が上がってきているのではないでしょうか。

また、Amazonのスキルランキングなどを見ると、常に音楽系、そしてRadikoがランクインしてきているところを見ても、スマートスピーカーによって新たなオーディオメディアの面ができてきたのではないかと思います。

これらをどうデジタルマーケティングとしての視点として活用していくかは2019での大きなポイントになってくると考えられます。Adobeとしても、これまでも計測はサポートをしてきていましたが、改めて昨年整理をして、ポッドキャストや音声ストリーミングなどの計測をサポートするソリューションを展開しています。(アドビ、業界で初めてオフラインおよびオンラインの音声向け アナリティクスを提供 | Adobe)

また、広告としてもRadikoは「ラジコオーディオアド」を開始しています。動画とあわせて、このあたりのプログラマティック広告は大きな注目ポイントですね。(ラジコで年代や性別などにあわせた音声広告の実証実験 – AV Watch

パーソナライゼーション

個人的にはやっと来たか、というのが本音ですが、AIの時流もありこれまで以上に単純な出し分けではないパーソナライズが普及してくると思います。

Adobeが去年、実施した調査では、パーソナライズの現状については性別などでの出し分けは実施しているものの、「顧客が登録した関心事」や「顧客のウェブサイトの閲覧状況」などによるパーソナライズの実現を実施している企業は2割程度となっていました。(Adobe Digital Survey 企業におけるデジタル活用の現状と課題 | アドビ提供ガイド エクスペリエンスビジネス

また、この調査では統合管理する必要性の高さも出てきており、サイトやメール、アプリや広告といったところで、一貫したメッセージ(パーソナライズ)を実施できるかは大きなポイントになってくると考えています。

そしてそれらを実現していく上では、顧客のコンテクストをいかに理解するかが重要視されます。また、AIを活用したパーソナライズを実現するにしてもデータが必要です。そのために個人情報やGDPRといったものを意識しながら、いかに企業としてデータを上手く付き合っていくか、使っていくか、必要に応じて企業での連携・提携をしていくかなども大きな動きとして出てきそうです。

1つ前といっても書いたの9月ですが、こちら(NETFLIXのレコメンド構造を勝手に分解 | dIG iT)で書いた際に記載した、レコメンドの基本構造おいてもIntent Dataの方が優先度が高いことを記載しました。特にこのIntent Dataを捉えていくかはデジタルでの大きな取り組みの1つになってくると考えています。

ちなみに去年、AdobeとしてもAudience Marketplaceの提供を日本でも開始させて頂きました。こういった手法についても、日本でも今年いろいろと試行錯誤される年になるんじゃないかなと感じています。

まとめ

ということでもともとNewsPicks用に書いたコメントなので、かなり勢いで書いたところもありますが、もともと上がっていた記事のキーワードに対する自分の今の感じていることを書いてみました。他にもキーワードは整理すればある気がするので、それは時間を見つけてまた整理してみたいと思います。多分。

You Might Also Like