Adobe Summit 2014 レポート2
ちょっと間があいてしまいましたが、2本目のAdobe Summitレポートです。前回はキーメッセージについて触れましたが、今回は全体を通しての諸々を勢いで書きます。(Adobe Summit 2014 レポート1)
Customer Journey
恐らくブレークアウトセッションのタイトルで一番付いていたであろう単語がこれじゃないかと思います。前回も触れたようにAdobe Campaign(Neolane)が入ってきたことや、Private DMPが盛り上がってきたことによるAdobe Media Manager(Audience Managet)などが背景にあるように感じます。
いくつか参加したセッションの中では、Condé Nastの事例が最も印象的でした。実際にCusotmer Jorneyを設定し、それぞれのタッチポイントに関して最適化を実施するといった事を行っているそうです。
Inspire / Explore / Research / Buy / Post-Purchase といったフェーズに分けているのが興味深いですね。
Condé Nastの場合、各メディア媒体を持ち合わせている為、その媒体をベースに10個のセグメントを用意、これらのセグメントに対して広告配信なども行っているとのことでした。
今回、Customer Journey系のセッションではAdobe Campaignのメール配信機能を利用したものなども非常に多くありました。このようなメール配信については、去年まではパートナー企業との話だけだったものが、Neoleaneの買収によりAdobeが提供できることになった事で増えた感じですね。
化粧品を提供しているULTAではパーソナライズされたメールを設計。1つのメールに対して20個のアセットを用意し、合計で220パターンのものを配信できているとのことでした。
時間軸での配信も行っているそうで、初回会員になったタイミングでの配信、その4日後の配信、さらに9日後の配信などをオファーを変えて実施しているそうです。また、Birthdayメールなども自動で配信が出来ているとのこと。
全体として配信量は -17%になったのに対して、開封率は +47%、配信あたりの売上は+141%と。必要な人へ必要なメールが出せるようになったことで、全体の配信ボリュームをさげつつ、売上部分もキープできているのは非常に大きいとのことでした。
Silo
去年でもあったSiloという単語。去年は部門間の壁という意味合いで使われていました。今年は<Data Silo>つまり各チャネルやデバイスといった中で分かれてしまったデータをいかに1つに統合していくか、という形で語られていました。
Adobe Campaignが来たということもありますが、ざっとブレイクアウトセッションを見る限りでは、Private DMPであるAdobe Media Manager(Audience Managet)を利用した統合した事例が多くありました。オフラインデータを簡単に取り込み、ターゲティングや広告に簡単に利用できる点が良かったようです。
Data Siloで言えば、今回のAdobe SummitではReal-Time Enterpriseの要でもあるMaster Marketing Profileが発表されました。これまで各ソリューションの連携はWebサイトを通して行われたりすることが多かったのが、同じデータを利用することでシステム間のインテグレーションをより強化するものです。
これによりAdobe Analyticsの分析で通したセグメントをそのままAdobe TargetやAdobe Audience Managerで利用することが出来るようになります。もちろんオフラインのデータの取り込みも可能なので、まさにDigital-SelfをManage出来るツールといって良いでしょう。
Product / People / Process
今までもコンサルティングチームではDigital Drivenな組織を作っていくためには3つのPが重要であるとしていました。今回はこれが2日目のKeynoteでこれが大きく触れられたことが非常に大きい話だと言えます。
1日目がProductについてだったのに対して、2日目のKeynoteはPeopleとProcessにフォーカスして触れられていたわけですが、組織と人の話はそれだけ重要ということです。
今回のSummitに合わせて自社の成熟度がどの程度かを確認できるMaturity Self-Assessmentが出来るツールが公開されました。最後に業界の標準と比較できますので、今、どこに力を入れれば良いかが非常にわかりやすくなっています。
- Adobe Analytics 顧客分析成熟度評価 日本語版
Keynoteの2日目ではPeopleやProcessといった視点で様々なゲストに参加をして頂きましたが、その人であるロバート・レッドフォードのコメントは非常に刺さるものがありました。
Not Taking a Risk is a Risk. Change is needed.
-Robert Redford-
個人としても組織としてもいかにリスクをある程度はとりながら、先に進んでいけるかが重要といえます。テストを実施するといった事は、まさにリスクをとりながら、先々のリスクを最小限にする手法とも言えます。また、Digitalに合わせた組織を作っていけるか?これも経営者からみた非常に大きなチャレンジとも言えます。
まとめ
バーっと書き出してしまいましたが、各セッションはやはり面白いものがありました。改めてProductは武器であり、それを使う組織や人、それに戦略について重要であるということを感じることが出来ました。
Summit関連についてはあと1回ぐらいUpdateする予定ですが、恐らく次回は自分自身が感じたことなどを改めて書き出す形になると思います。