サポートコンテンツに関する徒然(その2)
さて長くなってしまったために分割した後半です。前半はサポートコンテンツの解析について書いてみましたが、後半はサポートコンテンツの未来についてです。
10月に実施したTC協会のイベントでは、AIのスペシャリストとして株式会社MICINの巣籠さんとCXのスペシャリストとして株式会社ビービットの宮坂さんとパネルディスカッションをさせて頂きました。
しかし、これがかなり盛り上がってしまい、かつ、途中皆様からのアンケートで、熱いメッセージをたくさん頂いたにも関わらず全てを答えることが出来なかったので、少々もどかしさを覚えておりました。
せっかく頂いた質問、そのまま埋もれさせてしまうのは非常にもったいないので、少し回答 をしていきたいと思います。
ちなみにサポートコンテンツの未来ということに関してはあまり先すぎると何でも話せてしまうということもあり、5年後としてディスカッションをしていたので、ここからの内容もその体です。また、AIに関連することが多いのはセッションタイトルや巣籠さんがいたからなんですが、考え方であれば私もいけるのでその範囲で回答していってしまいます。
サポートコンテンツにおける、AIにより実現できる「技術」「サービス」のヒントが欲しい
TC協会イベントセッション内アンケートより
サポートコンテンツの場合、作成・管理段階、提供・配信段階とで分けて考えた方が良いかと考えています。そのうえで、提供・配信については「どういった人に何を出せば良いのか?」という部分は商用機能として提供されてきています。
ただ、その人(コンテンツを提供される人)が、どんな人であるかというコンテクストの情報がどの程度あるかでその精度は変わってきてしまいます。直前含めたサイト内の行動やその人の流入元などの情報が入ってくるだけでその精度は変わります。
続いて作成・管理段階ですがこっちは新規の文章作成は当面難しいと思います。正確な仕様書などがあればそこから起こすことはできそうですが、まぁ、まだだいぶ時間がかかる部分じゃないでしょうか。
ただ、文章の補正や画像認識の技術は格段に良くなっていますので、このあたりは効率良く作成をしていくという部分は進むんじゃないかと思います。英語だとサマリ作成なども出てきていますが、日本語だとまだ先ですね。
ただ、マシン翻訳の精度は大分あがってきており、私の会社のサイトでもヘルプで導入されています。英語でサマリができてしまえば、それを日本語にすれば良いので、そういう手法であれば意外と早いかもしれませんね。
実際にAIを活用したいとなったときにまず何から始めたらいいかがわかりません。課題を定めて、AIの専門家の方たちと提携してどういう形ですすめて行けば良いのでしょうか?
TC協会イベントセッション内アンケートより
これ、当日も少し話題に出た気もしており、また、似たような質問もあったのですが、サービスとして組み込むAIを検討するのでない限り、自社でAIを勉強して…というのは少し違う気がしていて、基本は世に出ているサービスをどう活用していくかだと思います。
その上で、上述の作成・管理段階、提供・配信段階とでそれぞれ何が課題なのか、もしくは何を実現したいか、を整理したうえで提供できるサービスを認識していくことの方が重要と考えています。
作成・管理段階であれば、無駄はどこにあるのか?避けられない作業のうち人間の業務を介さずにもしくは軽減してできるものはあるのか?といった部分を整理することかと思います。
提供・配信段階であれば、実際に製品やサービスを利用される方にとって、より良い体験を提供していくためにすべきことはなにか?といった部分かと思います。
いずれにせよゴールを設定しないとツールもAIも使えないのでまずは何を実現したいかを考えていくべきかと。
製品の使い方を今後言語化する必要があるのか?
TC協会イベントセッション内アンケートより
文章量が多いものをエンドユーザーは読むのか?
これは非常に興味深い質問だと思いました。これに答えるにあたって、最初に少し話だけゲーム攻略について触れていきますね。
昔は本屋さんに多く溢れていたゲーム攻略本ですが、現在はかなり大きな本屋に行ってもその棚の大きさはかなり小さくなってしまっています。結局、攻略情報のそれ自体は大分前からネットに変わってしまっていて、それも少し前までは攻略Wikiと呼ばれるコンテンツでまとめられていることが多かったんですよね。でもこれの量も減っている。
実際にゲーム実況や攻略プレイ動画がYouTubeなどにあふれることになったことで、この攻略Wikiも閲覧されなくなってしまった(広告収入としてもYouTubeに、、)。ということなんですよね。
網羅性でいったら絶対的にゲーム攻略本>攻略Wiki>攻略プレイ動画なんですけどね。ただ、攻略プレイ動画の方が視覚的に分かりやすいという部分はあるのかと思っています。
ということで、どちらの方が理解度があがるかという部分を見れば、それは動画などで解説された方が良いに決まっているわけなんですよね。ただ、同じ説明をするにあたっての制作コストでみれば、動画の方が時間がかかり、テキストの方が早い。
最近の製品ってマニュアル減りましたよね。というか起動とか最初のインストラクション以外はすべてOSやソフト、YouTubeなどに任せてしまっている感じもあります。
Nintendo Laboなどはソフトにダンボールによる動画作成マニュアルが丁寧に入っており、小学校低学年でも充分に理解できる内容で個人的に相当感動したところもあります。
また、最近だとその機能を利用するタイミングでチュートリアルを出したり、ソフトを起動したタイミングでコンテンツを表示することも多くなりましたよね。Photoshopなどでも様々なものが実装されてきました。
とはいえ現状はウェブ、スマホ(アプリ含め)などで閲覧することが多いということを考えると、主要な説明は動画、そうではないものは図とテキストというのもありかと思っています。ただ、アクセシビリティやスマートスピーカーなどでの読み上げなどの利便性、トランスレーションのしやすさを考えるとまだまだテキストも必要じゃないかなと。
というこでテキストはなくならない、ただし、ユーザー理解や体験を考えるとこれまで以上に動画が多くなる!じゃないかなと個人的には思っています。
まとめ
ばーっ書き出してみましたが、長くなりすぎなのでこんな感じで。来年以降もWeb Designingの企画でこのような検討も続いていく予定なので、そちらも併せて読んで頂くと良いかと思ってます。