Digital Transformationの4つのキー

ここ1〜2年、これまでにも増して、デジタルマーケティングを中心とした組織の相談の話が舞い込んでくるようになってきました。実際、製品だけを入れてもデジタルマーケティングは成功することはなく、人や組織や戦略といったものが重要になってきます。

例えばマーケティングオートメーションのツールを導入したからといって、リソースが削減されるわけではなく、そこに戦略があり、それに向けた設計があり効果が出るわけです。また、1回入れれば終わりでもないですよね。

ということで、今回のエントリはこの辺りを少し整理してみたいと思います。

製品以外に何を考えれば良いのか?

冒頭でも触れた通り、製品だけでは成功はしません。実際には組織として動いている以上、様々な人が関わり動いているためです。私が関わっている組織では「L3PS」といったフレームワークも利用しながらここのサポートを行っています。

データに強い組織を作るカギ「L3PS」。それを実現するためには? | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

詳細は上記を見て頂ければと思いますが、昔からSIerの世界でも言われるような3つのPですね。製品やプロセスとともに人が関わってくる感じです。さらにこの周りに戦略とリーダーシップがある感じです。どれも重要であり、これをどう進めていくのかが重要なポイントとなっています。

デジタルマーケティングCoEの役割 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

そのあたりで中央専門組織(Center of Excellence:CoE)などを作って全体をドライブしていったりするわけです。

Digital Transformationで何を変えるべきか?

タイトルにもしたものですが。先ほど触れた「L3PS」も重要なんですが、先日参加したAdobe Summit 2018のKeynoteでコカ・コーラ社のCDO(Chief Digital Officer)が触れていた4つの項目がシンプルではっとさせられました。

コカ・コーラ社ではDigital Transformationを5年かけて実施を行っていくところだそうで、その項目として触れられていた内容です。

  • Experience
  • Operational
  • Business
  • Cultural

最初の顧客体験(Experience)については言わずもがなですが、ここをデジタル中心にどう顧客体験を変えていくことが出来るかは非常に重要なポイントです。

2つの目のオペレーションも非常に重要です。デジタルでの顧客体験を中心に考えていくと、コンテンツの配信を始め様々なポイントでより早い対応が求められるようになってきてます。スケーラビリティを持たせていくためにも、ツールを活用したうえで最適化されたワークフローが必要になってくるわけです。

さらにビジネスです。ここは私達もなかなか入り込めないところではありますが、サービスを提供している上では非常に重要です。表層的な顧客体験の変革ではなく、本質的な顧客体験の変革を行っていくうえでは重要です

そして最後に文化です。ここが一番重要であり、かつ、一番難しいポイントでもあります。デジタルを中心にどう考えていくかが、関係者全てで当たり前のようにしていけるかどうかは重要ですね。

実際の日本企業の取り組み

公開されている範囲の情報でですが、実際に日本でこの4つの項目にフィットした進め方をしている企業さんがいたのでご紹介してみたいと思います。消費財を中心にBtoCの商材を取り扱っているLOHACOさんです。

LOHACOさんについては非常に様々な取り組みが行われています。ビジネス面で見るとECマーケティングラボなどは非常に重要な取り組みだと感じています。データを共有化し、かつ、一緒にECに向けた製品を作り出していく。こういったものも1つのビジネスの大きな変革だと思います。商品のデザインもECならではの強みを活かして様々なお洒落なデザインがどんどん開発されてきています。

「LOHACO ECマーケティングラボ」、129社の参加企業と共に、第5期始動|アスクル株式会社のプレスリリース

2016年に日本パッケージングコンテスト 輸送包装部門賞を受賞したLOHACO Waterの取り組みは顧客体験と配送効率を両立した取り組みになっています。OperationalとExperienceの2つを実現しているわけですね。

LOHACO Water、「2016日本パッケージングコンテスト 輸送包装部門賞」を受賞(PDF)

そしてもちろん、顧客体験についても様々な取り組みをされており、上記のECマーケティングラボでの様々な取り組みもさることながら、サイト内でのパーソナライズの取り組みなどはお客さまの視点にもたった取り組みを実施されています。

ネットでペットボトルは6本単位でしか買えないと、誰が決めた? かゆいところに手が届く日用品ECへの挑戦|IT&ビジネス 業界ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン

何より社内の組織文化(Cultural)の醸成にも取り組まれており、データを見る文化をどう作っていくか、どうスキルを作っていくかなどを昔から取り組まれています。これも手前味噌のインタビュー記事ですが非常に良いことが書かれているので是非読んでみてください。(3ページあるのですがちょっと2ページ目以降ちょっと見つけにくいので注意)
国内史上最速のスピードで成長する「LOHACO」のデジタルマーケティングを支える組織とは?|「顧客の創造」がマーケティングの目的である|ダイヤモンド・オンライン

まとめ

なんか自分自身のモヤッとしたところをまとめていたところ、最終的にLOHACOさんが非常に良い取り組みをしているんだなぁというところに落ち着きました。純粋にこれをドライブさせていることに、凄いなぁと感じてしまう限りです。

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