パスレポートの落とし穴
最近の解析ツールではパス解析が出来るものが多くなってきています。遷移がわかるということが非常に便利なんですが、ポイントを押さえておかないと結構悩んだり。
リンクされていない遷移
パスレポートを参照していると、何故かリンクの無いページへの遷移があったりします。これは大きく2つの理由が考えられます。
- 別ウィンドウやタブでの遷移
- 「戻る」ボタンの利用
これらは両方ともCookieだけでセッション管理を行っていることによって起きます。気をつけたいのが、この現象が間違っているのではなく、これも正常な遷移であると認めることが大事だと思ってます。
1:別ウィンドウやタブでの遷移
別ウィンドウで遷移をした場合などは、サイト内の別々のページを遷移している可能性があります。
図は、縦にそれぞれ「A → C → E」「B → D → F」と遷移を表している図です。それぞれが別のブラウザで実行された場合は、この遷移通りに記録されます。
これが別ウィンドウやタブなどのように同じセッションの中で交互に実行されてしまうと、集計サーバはログが記録された順、もしくは、データが投げられた順に集計をするため、別の遷移として記録されます。
図ではピンクの矢印の遷移「A → B → C → D → E → F」として記録されることになります。
この時にCページからDページへのリンクなどが無かったとしてもCからDへ遷移をしているように表示されるわけです。
2:「戻る」ボタンの利用
「戻る」ボタンを利用なども同じように現象を起こすことがあります。過去のページなどで、片方のページからしかリンクをしていない場合に起きます。
図ではAページからBページへ遷移をしています。このケースではAページからBページへのリンクはあるものの。BページからAページへのリンクは無いものとします。
「A → B」に遷移をしたときに「戻る」ボタンを押すとまたBページが表示されます。このときにタグ型を利用している場合に、再度ページが読み込まれることでJavaScriptが実行され遷移したように見えます。
ログ型やパケット型の場合は、キャッシュの有効期限切れの場合は再度リクエストが発生し記録されますが、ほとんどの場合はリクエストが発生せずに記録されません。
まとめ
これらは取れるのが間違っているわけでも無いと思っています。むしろ、訪問者の興味の移動はこれらが入ってきた方が本来なんだと思ってます。
あとは、これらをどのように見ていくか。アクセス解析を行っていると数字だけで判断をしてしまがちなのですが、こういったものは実際にページを確認しないとわからないんですよね。
その上で、「リンクが無いから」とかで上記の理由を想像する。必要なら別の指標を見てみたり、テストをしてみたりしながら判断を絞り込んでいけば良いんだと思います。
axelrodi
1の問題は、分析する際にノイズとして残ることが多くて、ポップアップ関連には重要な画面でも無い限りビーコンタグを入れないことが最近多いです。
2は、ブラウザによっても挙動が違いますね。昔試した際に戻るボタンでイメージリクエストが飛ぶブラウザと飛ばないブラウザがありました。ツールにもよるかもしれませんが。
あんけい
axelrodi さん。コメントありがとうございます。
確かに最初からノイズになりそうなものには入れないという方法もありますね。でも、別ウィンドウだったりは、もう、ユーザーに自由なんで全てがコントロール出来ないのが悩みですよねぇ。
確かに、「戻る」系の挙動については、こういったアクセス以外にも色々と謎な部分が多いのがサイトを設計しているときにネックになったりもするんですよねぇ。今度、時間ができた時にでも様々なブラウザで試してみるのも良いのかなぁと思いました。
マキタニ
1の問題、タブブラウザが普及してきて、ページの遷移としては把握できないことも増えてくるんじゃないかなと思います。セッションとかにも影響してくると思いますし。
「午前中にタブでとりあえずページ開けておいて、午後に改めて見はじめる」とか、どのページが閲覧開始でどこからが1セッションでって、分析する側もそのアバウトさを認識した上でしないといけないという……
あんけい
マキタニさん
コメントどうもです。確かにタブによる影響はさらに大きいかもしれないですね。数が多いパスであれば影響も少ないかもしれないですが、少ないパスはそもそもどうか…という部分もありそうですね。
あと、書いてて思ったのですが、別ウィンドウ指定している部分が多いサイトの方が、パスの誤差って多くなりそうですね。