ターゲティングこそ至高
私がAdobe Summitで参加したセッションやコンサルトの打ち合わせなども含め、 パーソナライゼーション や ターゲティング という単語は非常に多かったと思います。それだけ今後のトレンドとして、改めてこれらのキーワードが重要という事でもあると思います。
そしてこのパーソナライゼーション や ターゲティング を整理していく上で、先日のAdobe Summitのレポートのエントリでも触れた Customer-Forcused というのが非常に重要になってくるかと思います。
この後進めていく上で、ここでのパーソナライゼーションとターゲティングの違いを定義をしておくと、パーソナライズとは顧客に合わせてサービス、情報を適切なものに変更する事で、その方法の1つとして提供側からこれが良いだろうと情報やサービスを提示する事がターゲティングになります。
パーソナライズの方法としては顧客側による能動的な設定変更もありますね(壁紙とか何を表示したいとか)。
なぜ、いま、ターゲティング?
パーソナライゼーションという単語やターゲティングという単語はもう随分と前からあった単語なわけですが、これがなぜまた出てきているのか。
1つは去年のSummitのキーワードであった Digital-self 的な流れにあるんじゃないかと思っています。様々なアクティビティをオンライン上で実施、共有する事が増え、よりDataによってクリアに人を認知する事が出来るようになったという部分ですね。
この背景にはモバイル(スマートフォン)の普及があるかと思います。キャズムも超えて、利用者が増えたことで母数も増えました。また、モバイルファーストと言われますが、モバイルを起点に何かすることが多くなっているんですよね。
そして何より大事な概念が、モバイル利用の場合はWebよりも利用の背景、コンテキストが強くなってきているわけです。家でPCの前でレストランを探している時と、モバイルで駅の近くでレストランを探している場合だったら、後者はこれから行ける場所を探している可能性が非常に高いわけで、コンテキストが非常に強い状況だとも言えます。
このようなコンテキストを意識すると、よりその人に合ったコンテンツやサービスを提供していく必要が出てくるわけです。
ターゲティングってハードル高い??
いくつかのパーソナライズ、ターゲティング系セッションを通して見えてきたメッセージの1つが「ターゲティングやパーソナライズは難しくないよ」というものでした。これは日本でも良くありますね。
- 既に利用できるデータの中でやってみよう(少しずつステップアップ)
- ターゲティング・パーソナライズの効果検証も出来るよ
- 分からなかったら壁をぶつけてセグメントの動きをみよう
まずやってみる
「あんな事出来たらいいなぁ」「あそこのサイトはすごいなぁ」「うちはまだまだ先だなぁ」とターゲティングやパーソナライズは、妄想大きく一歩が踏み出せていない事も多くあります。
まずはやって見ること「リファラ」「広告」「訪問回数」などでもいいので、まず一歩をやってみる事も重要です。そこから少しずつ色々なターゲティングに広げていけばいいと思います。
パーソナライズで云えば、これはターゲティングの組み合わせですからね。TOPページのこのエリアでは、これ、このエリアでは、これ、といった感じに少しずつ広げていけばそのうちパーソナライズされてきます。
検証してみる
検証もきちんと可能です。ターゲティングやパーソナライズでどんな事をビジネスゴールを達成・サポートしようとしているのかさへきちんと定義できていれば問題ないです。
後はツールでターゲティングされている人とそうでない人を作って振り分けしABテストを実施して、パーソナライズされた際の効果を検証していけばいいだけです。
効果がないものはやらない、効果があったものはすべての訪問者にターゲティングをしてサービスとして提供をしていけばいいわけです。
壁をぶつけてみる
実際に少しずつやり始めると「今度はこんな人にやってみたい」や「他にはどんなターゲティングセグメントが考えられるか」といった事を考え始めるようになると思います。
これが大事で、ここに踏み込むと実はサイトの管理・運用からマーケティングに頭をシフトしやすくなってきます。ところが最初はなかなかセグメントが思い浮かばない事も多いんですよね。
そこで、あるセッションで紹介されていたのは壁をぶつけてみるという方法です。全体に対してターゲティングバナーなどを出してみて、それがセグメントごとにどう効果を生み出しているのか?(マイナスなのかプラスなのか)を事後のデータとして確認していく方法です。
戦略に落としこむ
ターゲティングを実施し始め、その結果を社内にフィードバックしていくと社内の会話がだんだんと Customer-Forcused になってきます。ここまで来たら今度はターゲティング戦略を考えていくと良いでしょう。
あるセッションではFidelityが「Identify > Engage > Activate」のフレームワークをベースにターゲティングを展開しているとの話がありました。
ドン・シュルツが提唱している統合マーケティング(IMC:Integrated Marketing Communication)でも、特定、評価、メッセージ・インセンティブ、価値、実施というプロセスでマーケティングの実施を行うので同じようなプロセスです。
ターゲティング戦略が明確になっていると、ターゲティングを実施する際のアイデアに困りにくく、非常に戦略的にビジネスを進めていく事が出来るようになります。
この辺り、真面目に書くと非常に長くなってしまうので、細かい部分はまた別のエントリで書きますね。
まとめ
ここ最近の私の仕事の内容も近いものがあったという事もあり、今回のSummitの内容を通して、「いよいよターゲティングをガリガリに実施していくという時代が来始めたかな」と感じました。
解析ツールで取得した情報を最も活用できるものの1つがこのターゲティングだったりします。もちろんUIやデザインのテストも重要なのですが、製作時に作成するペルソナを活用しやすいポイントもあったりと今後かなり重要になると思っています。
ということで、どしどしターゲティング事例を増やしていきたい次第です。あ、タイトルは良いものが思いつかなかったので勢いでつけました。
Daily Digest for 2013/03/28
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