WOMマーケティングセミナー

金曜日にWebSig24/7の分科会で「WOMマーケティングセミナー」に参加してきたので、感想を少しばかり。

今回のスピーカーは3名。シックス・アパートの河野 武さん、デジタルハリウッドの安藤 直紀さん、リンクシンクの鵜川 太郎さん。皆さんそれぞれ独自の切り方でWOMを説明。

WOMとは(「ワム」と発音するらしい)、Word Of Mouth の事でいわゆる口コミのことです。これをどう活用するかがWOMマーケティングになるわけですね。

河野さんのお話

河野さんのお話しでは「WOMとは」というところにフォーカスをしながら、今後分科会を繰り返していく上で共通言語の意味をしっかり理解しておこうという感じ。

「なぜ今WOMなのか?」というところでは2つの理由を提示。1つめは広告のクラッター(Clatter)化が進んでいること。これにより消費者が広告になれてしまい、企業が言っていることを信じなく(気にしなく)なってしまったこと。もう1つはWEB2.0。テレビ以外のリーチできる層もあるはずだから。

1つ目は激しく同意。情報が溢れすぎて、それを気にしなくなる。バナーブラインド効果も同じで、バナーだからってだけでフィルタリング効果がかかってしまうことがあります。

ただ、突き詰めていくとWOM自体もクラッター化が進んでしまうと同じなのかなぁということを考えると、WOMの仕組みを考える場合にクラッター化しない方法が望まれるのかもしれません。

2つ目のWEB2.0についてはう~ん…リーチできる層が別々なのは以前のエントリーでも書いたとおりで、それに対して必ずWOMとも言えない気がします。

そういった意味では、WOMはテレビであったり、ネットであったりの情報を補完する位置にいるのかなぁとも考えたり。

あっ、あとThe difference between Marketing, PR, Advertising and Branding | Ads of the Worldを引用してBuzzを説明していたのが面白かったかも。

実際に利用された資料です。

安藤さんのお話

マーケティングのフィールドをご自身?の学生生活に置き換えて説明。学生生活自体は基本的には皆さんが経験していること。その辺をうまく利用した説明は面白かった。意中の先輩を攻略していくなかで、戦略・戦術のほかにAMTULの視点をマッピングしても面白かったかも。

今回はWOMマーケティングの導入としての事例でしたが、このプレゼン方法は色々なものに展開しやすい気がするので、今後続編が出てくることに期待。これらの魅力については資料を見ていただいた方が判りやすいかも。

鵜川さんのお話

WOMマーケティングの手法を実際に分解してメリット、デメリットを紹介。今までこういったまとめ方を見ていなかったので非常に新鮮。そして企業にとっては非常に有益なまとめかただったのではと内心ラッキーとも。

実際には大きく3つに分解。報酬提供アプローチ、体験提供アプローチ、デジタルコンテンツ提供アプローチ。詳しい区分やメリットについては資料をごらんください。

ここからは私の持論です。

まず、報酬提供型についてはまぁ論外。正直、これでブログに書いてもらうのはいかがなものかと思うし、Buzzになりにくいのではと思っている。体験提供型については、どうしても業種が絞られてしまう感じもする。商品やサービスを簡単に提供できるサービスについてはメリットが大きいかも。

デジタルコンテンツ型こと今後詰めていきたいところ。実際に漢検DSのブログパーツなどを事例として挙げていただいてましたが、こういったアプローチは非常に興味深かったです。また、上記にあがった方法の中でも、最も効果が検証しやすい部分があったように感じます。

勉強会が終わったあとに鵜川さんと話ていた内容だが、実際にブログパーツについてはいくつかの懸念もあります。1つは取り外しを行う時どのようにするか?ということ。また、業種によってBuzzになりやすいものと、そうでないものもあるかもしれないということ。

特に後者は、ゲームなどネットに近いジャンルであればブログパーツとしても比較的貼られやすい。しかし、ネットと親和性の低いジャンルでは、もしかしたらBuzzは生まれないかもしれません。このあたりは、いくつかの事例をあさっていくと何か見えてくるのかも。

正直、企業側として今後気になる部分はどうBuzzを作り出すことが出来るか。同じことをやってしまっても、二番煎じになってしまいBuzzにならない場合もある。そういった意味では、事例と同じ方法を踏めば必ず効果がでるものでもないので、非常にトライアル性が高くなってしまう。

効果測定の方法とトライアル性の高さ、この辺をどうクリア出来るかが実はWOMマーケティングのポイントなのかもしれないですね。

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  1. 河野

    先日はご参加ありがとうございました。
    feedback参考になります。

    > それに対して必ずWOMとも言えない気がします

    は同感で、ぼくは口コミが万能だとは思っていなくて、むしろそういう風潮にブレーキをかけたいと思っています。
    テレビCMのほうがはるかに影響力が大きい中で、予算の制約や、商売の大きさによってはネットやSP領域のほうがいいこともあります。
    そのあたりを見極めて、適切な投資を行うのがホリスティック・マーケティングの考え方で、先日はそこの話を省略していますが、考えているのはそういうことです。

    ご参考まで。
    http://markezine.jp/a/category.aspx?cid=165

    ぜひ一緒に考えていきたいので今後ともよろしくお願いいたします。

  2. あんけい

    コメントの表示が遅くなっちゃいました。すいません。

    こちらこそコメントありがとうございます。

    >ぼくは口コミが万能だとは思っていなくて、むしろそういう風潮にブレーキをかけたいと思っています。

    1つの手段としてWOMがあるだけで、必ずしもWOMが答えってわけではないですもんね。

    >テレビCMのほうがはるかに影響力が大きい中で、予算の制約や、商売の大きさによってはネットやSP領域のほうがいいこともあります。

    そうですね。ネットの利点と4大メディアの利点をうまく活用しながら、やっていくのが良いと自分も思ってます。

    そういえばWOMの対象となるセグメントって概念で考えたことがなかったなぁと思ったので、この辺はそのうち書いてみます。

    次回の日程も決まったようで、是非お伺いするので、またよろしくお願いします!