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強引にクリックを奪うとCVRはさがる。

2013/08/26

noctiluxin' (without the leica noctilux 50mmf1.0) by filtran ターゲティングを実施するという事は、必要な情報を伝える事であり、また、不必要な情報をそぎ落とすという事でもあったりします。

Dr. Raymond R. BurkeのShopabilityをあげる為の10の法則( Retail Shoppability: A Measure of the World’s Best Stores:PDF )の1つではMinimize Clutterつまりノイズを減らしS/N比を高くする事が触れられています。ターゲティングを実施するという事は不必要であろう情報を減らし、まさにS/N比を高くする効果を持っていると言えます。

逆にターゲティングで絞り込んだ情報が正しくない時はこのS/N比が高くなってしまい、顧客の行動に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるわけです。という事で今回はクリックを奪うという事について。ちなみに本文はターゲティングじゃなくても考えるべき話です。

クリックを奪うとは?

コマースサイトのトップページの大きなバナーで特集に誘導するというのはよく実施されてます。この特集のクリエイティブをより目立ったデザインにする事で、その特集への誘導を増やす事が出来ます。これに加え、ターゲティングを実施し、よく参照するカテゴリなどで特集をさらに絞り込んでいくと、さらにその誘導をあげていく事ができるようになるわけです。

実際に行動ベースのターゲティングを実施するとバナーのクリック率は、デフォルトに対して10%以上リフトアップする事はざらで、100%以上(倍以上)リフトアップしたケースもあります。クリエイティブのテストだと4%前後のリフトアップでも成功、6-7%で大成功なのでターゲティングの効果は非常に大きいと言えます。

クリック率が上がったという事は、つまり、クリックする人が増えているわけです。さて、この増えたクリックはどこから…というと、ターゲティングをしていなかったら離脱していた人や他の場所をクリックしていただろう人です。

これが「クリックを奪う」という事です。改善作業を繰り返していると、どうしてもそのテスト箇所にだけ意識がいってしまうので、他のところは(手を付けていないので)変わらずに、そこだけクリックが増えたように感じてしまうのですが、実際は奪っているんです。

ターゲティングテストなどをして、他の状況もきちんと確認するとそれは明確に見えてきて、先ほどのTOPページでの特集バナーのようなケースであれば、その周りにある他のバナーのクリック率などは、デフォルトのパターンに比べて逆に落ちているケースが多くあります。

奪った結果に生まれるもの

サイトでターゲティングの誘導を強化した場合、上記のとおり何かしら他のところからのクリックを奪う事になります。

ここで留意すべき点は誘導先です。結果として非常に効果の高いコンテンツへ誘導出来れば素晴らしいコンバージョンへの反映がされますが、その逆の場合もあります。

クリックは様々な場所から奪われます。フリーワード検索をしようとしてたかもしれない人、ディレクトリメニューからカテゴリを辿ろうとしていたかもしれない人、ランキングからトレンドを探ろうとしていたかもしれない人…

その中には特集をみた方が結果としてコンバージョンに結びつく人もいれば、逆に特集を見た事でコンバージョンに結びつかない、フリーワード検索をしていた方がコンバージョンしていたかもしれない人などもいます。

つまり、何かしらの改善やターゲティングで誘導を強化した場合に、適切な誘導が出来ていないと、サイト全体ではコンバージョンが下がってしまうケースも出てきてしまうわけです。

実際に私が関わったテストでも、ターゲティングを実施することで、特集に誘導を強化する事、つまりクリック率はあがったものの、その誘導先ページにコンバージョンへ繋げる力がなく、結果として全体のコンバージョンは下がったケースもあります(もちろんあがったケースもあります)。

興味がない時は離脱する

「いやいや、自分の興味のないコンテンツなら戻るでしょう」と思うかもしれませんが、実際は興味がないと感じた時点で、離脱をするだけです。

過去のテストにおいて見えてきているコマースサイトの行動として、ターゲティングをしても、しなくても平均商品閲覧数はほとんど変化がありません。

強引に商品詳細に誘導しても、自分の興味があるものをじっくり選んでもらって商品詳細に誘導しても、同じくらいの商品数を見て欲しいものが見つからなかったら離脱してしまうんですよね。つまり、それだけ誘導するコンテンツは重要と言えます。

ランディングページでも同様です。Call-To-Actionを強引に目立たせて、きちんと商品やサービスへの理解をしないままにフォームページへ誘導しても、そのページで離脱をしてしまうだけです。

きちんと商品やサービスのメリットなどを伝え、モチベーションを一定以上にアップさせてから誘導する方がコンバージョンへの寄与は高くなります。この辺りはまた長くなってしまうので以前にMarkezineに寄稿した記事でも。( 興味バロメーターと購買リスクを加味したサイト改善方法~成果が倍増したランディングページの事例:MarkeZine

まとめ

ターゲティングは非常にパワフルであり、特に行動ベースのターゲティングは誘導効果は非常に高くなります。もちろんデザインによる工夫などによっても誘導効果は高められます。

そして高められた誘導、つまりクリックは、どこかから奪われたものです。そこにはもちろん離脱したであろうものもあれば、ページ上の他のリンクから奪われることにもなります。

強く誘導することは<適切なコンテンツ>へ誘導する事が強く求められるわけです。適切なコンテンツに誘導できないのであれば、それは誘導を強化しない方がサイト全体にとっては良い場合もあります。

前回のエントリでも触れたターゲティングの5Wですが、まさにWhat(何を)ターゲティングするかは非常に重要です。だからこそターゲティングもテストを実施し、効果を見極めていくんですよね。奪ったクリックは、奪ったなりに効果を上げなければ意味がないんです。


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