GoalとKPIに潜むキャズムの乗り越え方 その2

前回の続きです。KBRとはなんぞや?という方はまず前回のエントリを参照して頂ければと思います。
(今回は超大作になってしまったので2分割エントリなのです)

さて、その前回のエントリでは、KBRを使った整理の仕方を途中まで触れ、KBRの組み立てまでを行いました。

今回は後半のKBRから実際にKPIに結びつけていくところまでを行っていきたいと思います。

KBRから改善策まで

まず、前回利用したビジネスゴールと導き出したKBRは下記のようなものでした。これをもとにKPIへの落し込みをしていきたいと思います。

  • Business Goal
    • サイトの売上向上
  • KBR

    • 購入回数の向上

      • 途中離脱の低下
      • 訪問者数の向上

※他のKBRは割愛(前回エントリを参照のこと)

KBRまで明確になると、慣れているとKPIを想像できてしまうのですが、そこは大人です。きちんとステップを踏みつつ先に進みましょう。感覚でステップをすっとばすと後でやっかいな事になりかねません。

このタイミングで次に導き出すのは「改善方法」です。なので、KBRの落し込みと同じように質問を利用して落としこんでいくと非常に導き出しやすくなります。

「そのKBRを改善するためには何にフォーカスするのか?」

となってきます。例えば「途中離脱の低下」を例に挙げると、質問は「”途中離脱”を改善するためには何にフォーカスするのか?」となります。

既に解析ツールが導入されている場合、ここの改善策は既に取得できているデータなどから優先度をつけていくのも良いかと思います。

上記の例から導き出される例を挙げると。

  • フォーム離脱の低下
  • 買い物カゴの放棄の低下
  • 直帰率の低下

といった内容が多くなってくるかと思います。この改善策を導き出すと指標まではワンステップです。

改善策からKPI

最後の指標に落とし込む際も質問で行いましょう。ただし今までと違い、質問自体を絞りだしていく感じです。

ここでは「何を知ることが出来れば改善へのアクションにつなげられるか?」といったことを念頭に考えます。「フォーム離脱の低下」を対象とした場合、

  • フォームページでの離脱はどのくらいか?
    • 特定ページの離脱率
  • 具体的にどのフォームで離脱が多いのか?
    • 特定フォーム別の放棄数
  • どのような入力エラーが起きているのか?
    • 入力時のエラー発生回数

といった感じの質問を作っていきます。もう、ここで見るべき指標は決まったようなものです。あとは、それをデータとして取得をしていくだけです。

ちなみに入力エラーなどは、解析ツールを使うよりもシステムログを取得した方が環境的に早い場合もあります。

ここで重要なのはアクションにつながることなので、必ずしも解析ツールのデータを利用しなければならない事に固執せずに、必要なデータを取得できる場所から取得します。

KGIとの棲み分け

指標を定義する方法としてよく利用されるものにKGI(Key Goal Indicator)を定義し、KPIを導き出すがあります。KGIとは具体的に数値化された指標で、そしてそのKGIの達成度合いを確認していくためのKPIです。

自分の中でも色々と整理をしたのですが、KPIは大きく2つに別れてくると捉えています。先程触れた、KBRから落し込みされるKPIと、KGIから落し込みされるKPIです。どちらもKPIです。ただ、大きく違うのが導き出されたものが違うということです。

KBRとKGIの関係を考えた時に、実際のKBRの値を、期間を決め、具体的な数字に落とし込んだものがKGIだと考えています。

KGIは立場によって設定されるものが変わってくるので、サイトで1つコレ!といったものにはしにくいですが、先程の挙げたKBRのうち「訪問者数の向上」をKGIとして落とし込む場合は「2010年2月の訪問者数は×××名以上」となるわけです。

あとは、それに基づいて2月であれば28日で割った数字がおおよその日別で達成すべきKPIになってくるわけです。またKGIは施策別にも機能します。施策別にKGIを設定し、そこに達する可能性があるかをみるわけです。

この施策も本来ならKBRから導き出される必要があります。会員獲得とコンバージョン獲得というKBRがある場合に、その両方を実現するキャンペーン施策などを実施するなどです。

KBR_KGI_KPI

ということで現状はKBRもKGIもKPIもみんな仲良しなわけです。(そんなかっ!)

まとめ

いや〜今回は長かったです。慎重に整理していたこともあり、2回目のエントリを書くまでに時間がかかってしまいました。しかし、それだけの内容は書けたかなとは思ってます。

今回の一連のエントリでは指標に絡めてKBRについて触れましたが、実際にKBRを決めておくとサイト運営を行っていく際でも、テスティングを行っていく際でも非常に役立つものになります。

そのため指標どうこうでなくても、一度作ってみるとサイトを理解するのに非常に有用な手段にもなってります。ので、是非いちどKBRを考えてみて頂ければと思います。

ここで書きながら思ったのですが、KBRの効用がまだ書ききれてませんでした。。簡単にいうとシェアについてのものなのですが、これはまた別にエントリを立てます。

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