サードパーティーCookieが悩ましい
タグ式などのWeb解析ツールではユーザーの行動をトラッキングするためにCookieが作成されます。これがないとなかなか複数ページにわたる「個」の特定が難しいんですよね。
このCookieですが「ファーストパーティーCookie(First-Party Cookie)」と「サードパーティーCookie(Third-Party Cookie)」に分かれます。
ASPサービスのWeb解析ツールの場合はほとんどが後者のサードパーティーCookieなのですが、実はこれで数字が少し変わってきてしまうんですよね。
2つの違い
「ファーストパーティーCookie」と「サードパーティーCookie」の違いは簡単に言えば、設定される際のドメインの違いです。
Cookieをブラウザに設定する場合に、有効ドメインを設定する必要があります。この設定を「参照しているサイト(URL)と同じものを設定する」のがファーストパーティーCookieで、「別のドメインを設定する」のがサードパーティーCookieです。
タグ式のWeb解析ツールでサードパーティーCookieがあるのは、実績データをWeb解析ツールを提供している会社のサーバに送る必要があるからなんです。
メリット
サードパーティーCookieはWeb解析ツールを使う側からすると非常に便利なものなのですが、別のドメインを設定しているが故のメリットとデメリットがあります。
少し大きな企業になると複数のサイトを持っている場合があります。商品プロモーション用のサイトも、専用のドメインを取得するこも少なくありません。
こういった複数ドメインを管理している企業でも、サードパーティーCookieを利用したWeb解析ツールの場合は、同じユーザーを特定することも可能になってきます。
通常、ドメインが違う場合はサーバログも別の場所に出力されることが多いため、ログを集計して行う解析の場合は同じユーザーを特定することが難しいんですよね。それを可能にしているのがこのサードパーティーCookieです。
デメリット
次にデメリットですが、これはメリットがそのままデメリットにもなってしまっています。それは、この複数ドメインをまたがってもユーザーをトラッキング出来てしまうということを利用して、広告配信に応用されてしまっているからなんですよね。
これによって、サードパーティーCookieはまるでウィルスのようにセキュリティという言葉によってブロックされてしまうようになってしまいました。また、IEのセキュリティ設定でもファーストパーティCookieよりも低い設定でブロックをされてしまいます。
こういったことにより、全体としてファーストパーティーCookieよりもCookieの受け入れ割合が低くなってしまっています。通常のサイトであれば、ファーストパーティーCookieの受け入れ割合は99.5%程度です。
これがサードパーティーCookieの場合97%程度になってきます。これが再訪問を計測となると消されてしまう可能性も高いため、もっと低くなると考えられます。
まとめ
最近では、どちらでも対応可能なサービスもあるようですが、ドメインを設定したりと結構面倒なんですよね(そうでないのもありますが)。
また、サードパーティーCookieがブロックされた場合にIPアドレスやUserAgentを利用してトラッキングするWeb解析ツールもありますが、企業などで利用されるIPプーリングなどで精度が落ちてしまいます。
どちらを選択していくかは、ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieのどちらのメリットをとるかなんですよね。
現状、私の考えでは、1つのドメインで展開するサイトであれば、なるべくファーストパーティーCookieのものを利用した方が良いと思います。逆に複数のサテライトサイトを利用することが多い(見えている)のであれば、サードパーティーCookieを利用した方が良いかもしれないです。
ということでサードパーティーCookieに関する色々でした。