Googleの行動ターゲティング
Googleが行動ターゲティングのテストを開始しているそうです。
ウォイッキ氏によると、Googleは数週間前から新しい広告機能をテスト中という。それは、個々の検索ワードだけでなく、その直前の検索内容にも基づいた広告を提供するという方法だ。(IT Media:Google、行動ターゲティング広告には慎重な姿勢)
現在、行っているテストは同一セッションにおける検索キーワードを複合化するもののようです。
検索との組み合わせ
Google.comで[Italy hotels]と検索したあとに[weather]と検索すると検索結果の上部の広告エリアには[Italian Weather]に関連した内容がスポンサーリンクの結果が表示されます。(先週末に行った際は表示されていましたが2007年8月6日1時現在では表示されないようです)
これはサーチエンジンだからこそ出来るサーチワードフィルタリングといった感じでしょうか。前に検索したキーワードを元に、より近いであろう広告を表示しているわけですね。
かなり前の記事になってしまいますがGoogleでの検索キーワード数は8割以上が1~2ワードで行っているとのことです([調査] 検索時に入力するキーワードの数 – Hitwise :: SEM R)。逆に3ワード以上で行う人は2割程度しかいないわけです。
先ほどの検索キーワードの組み合わせも、1回の検索ワードが少ないからこそ出来た行動ターゲティングで、絞込みのためにキーワードを複数入力しないユーザー補助を行っている感じにも見えます。
プライバシーへの懸念
実際にはGoogleは色々なところに入り込んでいるわけで、検索キーワードだけではなくAdwardsを表示しているサイトの参照履歴やIDと結びつけたもっと詳細な情報を組み合わせることも可能なはずです。ただ、実際にはプライバシー問題も懸念しているそうで、簡単にそこに踏み込めないのも現状なようです。
以前のエントリー(行動ターゲティングは本当に不安?)にも書いていますが行動ターゲティングを行う場合に私は「ユーザーがコントロール出来ること」が重要だと思っています。
今回、Goolgeのテストを見て感じたのは、ユーザーがコントロール出来なくても良い行動ターゲティングが「セッション内の情報だけを利用」することなのかもしれません。そこでユーザーが触れた可能な限りの情報がそこに反映していく形です。
逆に、数日前の情報であったり、IDに紐付いたデモグラフィック情報やジオグラフィック情報はユーザーコントロール下に置いておくが大事なのでしょう。
まとめ
企業との接点が増えることで、企業から見ればそのユーザーの行動をトレースすることが可能になります。便利な世の中な反面、使い方によっては非常に気持ち悪くも感じてしまう環境になってきているのも確かです。
今後、Goolgeが行動ターゲティングについてどのようなアクションを起こしていくかは判りませんが(Adwordsとは一緒になりそうですね)、今回のトライアルを考えると、セッションの中だけでプライバシーを抵触しないよううまく利用することで、行動ターゲティングはユーザビリティも向上させることも出来そうだなぁ、ということを感じます。
「インフォメーションアーキテクチャ(IA)の中で、行動ターゲティングをどう捉えるか?」という別視点を考えてみるのも面白いかもしれませんね。