デジタルマーケティングの2013年振り返る:2
前回からの続き(その1)です。相変わらずいくつかの気になるキーワードについて徒然に触れていきたいと思いますが、思いつきベースでのキーワードで書いているので、前回とずいぶん違うなとかは気にしないでください。
ターゲティング
今年の頭に参加したAdobe Marketing Summitに参加した直後に書いたエントリ(ターゲティングこそ至高)でもターゲティングについて触れ、ターゲティングがこれから来るかなと感じていたのですが、やはり今年はターゲティングの案件が非常に多かった年でした。
ターゲティングといっても様々なものがあり、会員登録時に取得している属性情報にもとづくものや、行動ベースのもの、それらの組み合わせや、より戦略に基づいたものまで多岐にわたります。
ターゲティングを実施する場合は、誰に(Who)、何故(Why)という2つの大きなWを軸に、何を(What)、どこで(Where)、いつ(When)といった事を考えていく必要があります。
適切なセグメントを定義できていたとしても、そのセグメントに対しての適切なメッセージを定義できていなければ、ターゲティングを実施する意味は薄れます。また、適切なメッセージまで絞り込むことが出来たとしても、誘導する先やタイミングを間違えばやはり効果はあがりません。
こういった事を見極めながら、ターゲティングテストを繰り返していくわけですが、私自身、前職よりセグメントを利用したターゲティングやメール配信なども行っていましたが、改めてターゲティングを推進していくこは、非常に難しくもあり、面白いものあるという事を今年感じることが出来ました。
そして、来年は下記の項目が進みよりターゲティングが面白くなりそうな気がしています。
- スマートフォンAppのGEO情報を利用したターゲティング
- プライベートDMPを軸にした、広告とサイト内のターゲティングの融合
- デバイスを超えた行動ベースでのターゲティング
テスト
先ほどターゲティングの案件が多かったと書きましたが、それだけWeb解析自体は浸透し、テストやターゲティングという次のフェーズに向かい始めている感じもあります。業界のニュースとしても新たなテストツールの話やテストの事例なども多くあったと思います。
サイトのテストはどうしても、ページレイアウトやデザインの話になってしまう事が多くあります。もちろんこのよう事も非常に重要であり、それにより大きな結果をもたらすこともあります。しかし、テストをそれだけで終わらせてしまうのはもったいない、どのようなメッセージを伝えると効果的か、見てもらいたい情報(ページ)の順番など、顧客とのコミュニケーションのテストもお薦めです。
このようなコミュニケーションのテスト結果は、直接的なコンバージョンへの影響以外にも、広告やメールなどの他のチャネルへの展開やケースによってはオフラインの内容への展開も出来るようになるための、ページレイアウトやデザインといったテストとはまた違い、よりマーケティング的な効果が考えられるようになります。
今年が「テストをとにかく実施する」という大きな動きがあったとすると、来年はテストをどのように組み立て、どのような優先順位で実施していくのか、といった「テストを効果的に実施する」がニーズとして多くなるかもしれませんね。
Growth Hack
今年になってあがってきたキーワードですね。ベストプラクティスをどしどし導入していく事、テストを繰り返していくこと、それらの評価がKGIやKPIに基づくものである事などが、分かりやすいパッケージ化された単語だと思います。
同時にHACKという単語があるぐらいなので、むやみやたらと弾を撃つというよりも、実施する施策やテストにおいて、これはコンバージョンが上がるという<しかけ>があって然るべきだと思っています。
会員登録への誘導画面の横に既に利用しているFacebookの友達のリストを出すことなど、良くGrowth Hackの例として上がりますが、これはSocial Proofという考えに基づいた施策であり、さらにはその訪問者が登録する事でさらにSocial Proofに利用出来るリソースが増えるというものです。まさに<しかけ>の中で上手く、さらには倍々になるようなものになっている好例です。
これに対して「Call To Actionのボタンの色があがる」といった裏付けが乏しいベストプラクティスの共有はそれ自体はHackではない気がしています。実際にボタンの色は過去の経験でいくと、サイトのデザインやコントラストにより様々な結果があり、上がる根拠は薄いです。
先日、実施させて頂いたアクセス解析イニシアチブのテストに関するセミナーでも少しお話をさせて頂いたのですが、テストはぽっと思いついた案を実施していくのではなく、様々な裏付けの基にテストパターンを組み立て実施をしていかないと、結果として満足するものが得られない事も多く、またテストを継続するには息切れをせず実施していけます。
Growth Hackという単語に対して何にでも簡単に飛びつくのではなく、きちんとした裏付けを確認、作りながら、Growth Hack的事例を組み立てていけると良いなあと思っている次第です。
とりあえず…
なんか、さらにもう1回書けそうな気がしてきました。時間を作ってもう1回ぐらい更新してみたいと思います。